反射望遠鏡の自作状況のブログ

望遠鏡のネタを中心に自作などの状況をご紹介します。

SiO2の膜厚は?

蒸着条件の確認は継続中・・・
アルミの適正膜厚は、透過が認められなくなった程度を目安に調整できますが、SiO2の膜厚は、水晶膜厚計の値をアルミの値と比較しておおよその見当しかつきません。
そこで、ニュートンフリンジを使って確認してみます。

昨日より、鉱物用のスライドグラスを試験片に使っています。
そこそこ平坦なので、重ねるとフリンジが見えます。

測定の方法は、SiO2が蒸着された部分とされていない部分とのフリンジの段差より膜厚を計算するものです。

蒸着されない部分には、セロテープを貼って蒸着します。

早速やってみました。
イメージ 1
どこに段差があるか写真では判りにくいですが、よく見ると段差を確認することができます。

緑色のみ抽出して、モノクロ画像にしたものがこちらです。
イメージ 2
緑の光の波長を550nmとして、フリンジの明暗縞の1ピッチは0.5波長となります。
SiO2の蒸着により、だいたい1/11ピッチの差ができていますので、膜厚は。
550 X 1/2 X 1/11=25nm
水晶膜厚計の値は61でしたので、水晶膜厚計の値1に対して膜厚は0.41nmとなります。
SiO2の膜厚を10nmにするためには水晶膜厚計の値が24になるように蒸着すればよいことになります。

ところで、保護膜の適正膜厚は?
厚みをもたせると干渉による膜色が発生すると思うので、思いっきり厚くするか薄くするかですね。厚くすると面精度への影響があるので、薄くする・・・
つまり、鏡のお手入れに支障のない程度に薄くでよいのでしょうか・・・??
でも、増反射膜は別ですね、そこそこの厚みがないと干渉しませんね。

イメージ 3
左が、膜厚測定に使ったスライドグラス約25nmSiO2が蒸着されたもので、右は10nm狙いでSiO2を蒸着したものです。

まず、左ですがSiO2蒸着されている部分とされていない部分とで、着色の差は感じません、おおざっぱガラス同士なので干渉しないため干渉による膜色が発生しません。
左が色を感じないということは、異物が混入して着色しているのではなく、干渉による幕色によって鏡が着色しているという結論で良いのかな?

と悩んでいましたが・・・・
イメージ 4
出所が明確な、ジ○マテックの蒸着と重ねてみると、色の差は判りませんでした・・・

こっちの鏡が少し青っぽい・・・相対的に黄色っぽく感じていたわけかぁ~
イメージ 5
・・・・リファレンスも選ばないと・・・・駄目ですね。