試運転は問題なかったので、鏡の蒸着準備に取り掛かります。
まず、蒸着窯を大気解放して上窯を上昇させて反転した状況の写真です。
我が家の蒸着窯は上窯が反転できて作業しやすくしているのが特徴です。
前回の蒸着作業で使用したプラネタリーユニットが付いたままです。
プラネタリーユニットは同時に20cmまでの鏡を3枚蒸着できるユニットです。
今回は30cmの鏡なので、ユニットは取り外して1枚用に交換します。
プラネタリーユニットです、3枚の円盤がそれぞれ回転しながら周回します。 この動きにより、蒸着膜の厚みをより均一にすることができます。
3枚の円盤を外したところ。3枚の円盤の回転はチェーンにて駆動しています。
真空中なのでノングリスです。
1枚用の治具に交換したところです。
後で、ここに鏡を取付します。
続いて、蒸着材料(アルミ)の準備です。 高純度のアルミワイヤーをアルコールで拭いてからU字型に加工します。 これをタングステンのフィラメントに引っ掛けて、真空中で加熱蒸発させます。 ・・・今や貴重な無水エタノールです。
続いて、窯の中を見る窓の清掃。 窓も蒸着されてしまうので見えなくなってしまっています。 中のガラス板を取り外して蒸着膜を取り除きます。
蒸着膜は、セリウムとセリウムパットでこすると容易に剥がすことができます。
きれいになった窓ガラス、中のプラズマ電極(銅色)が見えています。
いよいよ、鏡の準備に入ります。
こでが今回蒸着する30cm鏡です、でも中央のコアを除去していないので、コア除去を行います。 コアは石膏で固定されているので、台所の流しで水を掛けながら鏡の面を下向きにして(鏡面に傷が入らないように)、裏面より石膏をほじくって除去します。除去した後も、残っている石膏をサンドペーパで綺麗に除去します。
コアを除去した後の鏡です。
続いて、鏡を蒸着装置に固定するための金具を取り付けます。
私は、側面を大きなホースバンドでL金具を固定する方法を使っています。
蒸着窯のなかで鏡面を下向きにして吊り上げるので、落下しないように鏡面側に引っ掛けを作って落ちないようにする方法もありますが、引っ掛けの金具部分に隠れた部分には蒸着膜が付かなくなるので、それを避けるためこの方法でやっています。
当然、この方法で鏡を落としたことはありません。
蒸着装置の上窯に鏡を取り付けしたところの写真です。
さて、本日の作業はここまで。
鏡に埃が付かないようにカバーをかぶせておきます。
明日、下窯の準備をして蒸着作業の予定です。