反射望遠鏡の自作状況のブログ

望遠鏡のネタを中心に自作などの状況をご紹介します。

蒸着テスト

蒸着材料屋さんより、アルミとは別の材料を購入しました。
このような材料もネットで購入できるので、大変便利な世の中になりました・・・
さて、なんでしょう。
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答えは、銀線(Ag)です、純度99.99%のΦ1.2mmです。
今回は、銀蒸着のテストを行います。

銀ミラーはアルミに比べ高い反射率が得られるメリットがあります。
ただし、銀蒸着はアルミ蒸着と比べ難しい、とのことです。

どのように難しいのか体験してみることにします。
さて、どうなることやら・・・・

まず、ネットでは銀はガラスとの密着が悪く、容易に剥がれるとのこと。
フムフム・・・つまり、プラズマ処理では密着が確保できないということかな?

さらに、密着をよくするためにはガラスと銀との間に何か挟む・・・接着剤の役目かな?
で、それは何?、蒸着屋さんのHPでは、所定の膜構成??、だから、所定って何?
さまよって、どこぞかの論文・・・Al2O3・・・これは、アルミナ
アルミナを蒸着するんだぁ~。
蒸着材料屋さんの資料では、Al2O3はタングステンで蒸着可らしい。
身近のアルミナは・・・アランダム(研磨剤)ならある。

よって、膜構成は
1層目 Al2O3
2層目 Ag
3層目 Al2O3
4層目 SiO2
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では、蒸着準備・・・

まずは、Ag(銀)です。
あれれ、フィラメントに引っ掛けないの? と、疑問の方もいるかと思いますが。
予備実験でフィラメントに引っ掛けてやったら、全部落下しました。
アルミみたいに熱伝導が良くないので、引っ掛け部分が先に溶けて落下です。
よって、ボートを使います。(ここも銀が面倒なポイント)
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Al2O3(アルミナ)です、こちらも予備実験では溶けるまでは確認済。
中央の塊が溶けたもので、周りの粉は追加したAl2O3。
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こちらは、毎度のSiO2(石英)の粒
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さて、蒸着作業開始・・・

・・・作業完了。
問題点1、3層目のAl2O3で途中で、タングステンボートが溶断しました。
Al2O3があまりにも飛ばない(蒸発しない)ので、電圧を上げたら切れました・・・
1層目のAl2O3は、何とか薄くは付いたのですが・・・

問題点2、Al2O3の蒸着時に真空度がかなり落ちる・・・不純物が飛んでるのかな?
良い点1、銀(Ag)は、ボートを使用すれば容易に飛ぶが、今回は量が少なかったみたい。(除き窓が、まだ透けてる)

蒸着完了した状態です。チャンバー内がやや黄色っぽい感じですが・・・
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鏡面の見た目では、Al(アルミ)とあまり区別がつきませんが、何となく赤みが強いかなぁ~(先入観ありあり)、シャッフルしたら判らなくなるレベル。

蒸着後のフィラメントの様子。
まずは、Ag(銀)
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きれいに、飛びきっている。
蒸発中は、溶けて玉になってました。

次は、Al2O3(アルミナ)
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ああ~、溶けてはいるけど、ほぼ残っている。

その次は、SiO2(石英)。
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こちらは、毎度こんな感じ。

蒸着した、鏡とテストピースを取り出して、テストピースでセロハンテープを使ったピール(引きはがし)テストを行い、密着を確認します。
部分的にも、剥がれたら問題ありです。
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・・・・
全く駄目、全面剥がれました。
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セロハンテープ側にAg(銀)が付いたということは、1層目のAl2O3が上手くいってない?ようです。

やっぱり、不純物が飛んでいたのでしょうか・・・・
次回は、Al2O3抜きで試してみます。