反射望遠鏡の自作状況のブログ

望遠鏡のネタを中心に自作などの状況をご紹介します。

蒸着依頼がきました

研磨研究会つながりで、蒸着の依頼が来ました。
今回は、大物です・・・この蒸着装置で処理した鏡で口径記録更新です。
・・・記録更新を目指しているわけではありませんが・・・

しっかりした木箱に入って到着です。  ・・・重たいです。
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ご拝顔・・・
大き~い、口径46cmです。 
お顔の色も、黄色いですね・・・
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このように大きな鏡は、プラネタリー機構を取り外して、この治具を使用します。
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クリーンルーム用の手袋をはめて、作業開始・・・
まずは、鏡を取り出して、鏡に金具をバンド(ホースバンド)で固定します。
バンドは1本掛けでも保持できますが、念のため2本掛けです。
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この状態で、鏡の埃など拭き取りを簡単に行いました。
移動中に傷がつかないようにラップを被せます。
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蒸着装置に取り付けてと。
・・・やっぱり、重たいです。
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取り付け完了したら、ラップを剥がして、鏡表面のクリーニング(拭き上げ)を行います。この作業をしっかりやらないと染みができてしまいます。

そして、埃落とし。
斜め下向きにして、払った埃が再度付かないようににて。
埃が残っていないか光を斜めより当てて確認します。
このクリーニングと埃落としが、蒸着作業で一番気を遣う作業で、結構時間がかかります。(メーカの様に洗浄設備+クリーンルームだと多少気も楽になるかなぁ~)
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そして、いつも通り蒸着開始。
鏡が下向きで蒸着するので、落下しないか心配です・・・落下しないように取り付けはしたつもりでも、やはり心配・・・イメージ 8

そして、無事蒸着完了。
蒸着作業は、条件通り進めれば良いので気が楽です。
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蒸着装置より外して、金具を取り外します。
みるみるうちに、埃が積もってきます・・・
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もとの木箱に収めて、エアーブローして鏡面の埃を飛ばして作業終了。
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作業後の感想・・・
1.ハンドリング面では45cm程度が限界か・・・腰痛になりそう。
  寸法的にも、金具の取り付け代を確保すると45cm程度が限度かな。
2.クリーニングは・・・染み残りの見極めが難しいいです。
3.研磨研究会で発生した、RF電源の勝手に出力OFFは再現しませんでした。
  AC100V電源の電圧変動が原因でしょうか・・・そういえば、スクロールポンプも若干息継ぎする場面もありましたね。
4.鏡の保持金具が直接鏡に当たらないように、エストラマーゴムシートを挟んでみました、46cmの本番前テストで確認した結果、蒸着影響は生じませんでした。
5.今回の作業ではありませんが、研磨研究会でプラネタリー機構がロックした原因は、チェーン噛みではなくて、遊星側の軸受けベアリングのリテーナ破損でした。
たぶん、シールドを外すときにリテーナを変形させてしまった様です。