反射望遠鏡の自作状況のブログ

望遠鏡のネタを中心に自作などの状況をご紹介します。

アニーリング条件確認(電気炉 自作)その13

直火にあてないように耐火レンガで囲って、560~510℃を100時間で行ってみました。

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その結果はこれです  ・・・悪化ですよねこれ。

マルタの十字になりかけています。

う~ん、思い当たる原因としては温度帯でしょうか?510℃ではまだ早かったのでしょうか、熱電対とガラスの温度は一致しているわけではないので熱電対の測温で歪点を抜けてもゆっくり冷やすようにして再度テストしてみます・・・。

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年内では処理条件が決まりませんでした、また年明けに続きを行うことにします。

 

 

短焦点 反射望遠鏡の製作(その3)

主鏡の鏡周ホルダはホームセンターのL字金具に3Dプリンタで製作した部品を取り付けて製作しました。 鏡の当たり部分はコルクです。

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あと、鏡筒の加工を行います、斜鏡、主鏡、接眼部の寸法を確認して設計通りの光路長になるよう取付を行い仮組します。 

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鏡筒(ボイド管)の仕上げは焦点位置などの確認の後にニス塗りして固めて(耐水性)から黒塗りして、表面には化粧でカーボンクロス巻きする予定です。

短焦点 反射望遠鏡の製作(その2)

斜鏡周りの続きです。 0.8mm真鍮板よりスパイダー板を切り出しフライスで周囲を仕上げています。 切り出しはバンドソーを使用するのですが、だいぶ使用していなかったのでホイルのウレタンが劣化してバラバラになってしまいました。

二度目なので予備品で購入保管していたウレタンと交換しました。 特に注油して切断作業を行うとウレタン劣化が早いです。(A5052アルミとか切断するときにブレードにキリコが焼き付くので焼き付き防止で少々油を使います)

 

加工を終えて、仮組してみました。

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筒に載せて寸法確認してみました。 剛性も問題ないようです。

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次は、主鏡セル周りの工作に移ります。

アニーリング条件確認(電気炉 自作)その12

ようやく560~500℃を200時間で行うアニーリングが終了しました。

さて内部歪の状況は改善したでしょうか・・・

100時間の結果と比較してみましょう。

これは100時間のときのやつ

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これが200時間のときのやつ

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どこが変わったの? 変化なしですね。

ということは、時間的には100時間でもOKということでしょうか。

変化が無かったのは炉内の温度分布の問題かもしれないので、炉内で直火に当たらないよう工夫して再度確認してみます。

 

あと・・・石膏鋳型の方ですが、100℃で乾燥中に割れました・・・

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PLAが頑張ったのか石膏型の収縮で割れています。

石膏型は割れやすそうなので作り方を変更して、こちらも再度チャレンジしてみます。

 

アニーリングの条件出しの二回目の560~500℃を200時間で行う区間を終了し、温度を下げる工程に入りました(現在447℃)あと15時間程度で終了予定です。

次の電気炉を使ったテストはハニカム鏡材製作の難易度確認です。ハニカム鏡材は石膏型にガラスを鋳込んで形状を作り徐冷して歪除去を行います。 問題はガラスが石膏型に綺麗に流れ込むかのテストを行います。 ガラス材料としてまずソーダガラス(ガラス瓶)を使ってみます。ボロシリケート系ガラスはソーダガラスよりも高温にしないと粘性が高く石膏型に流し込むことができません。 まずはソーダガラスで900℃程度で鋳込んでみます。

テスト用の型石膏型を製作する方法ですが、3Dプリンタを使用したロストワックスでテストしてみます。 ロストワックス用のフィラメントもあるようですが、使い慣れたPLAフィラメントを使ってみます。

テスト型のモデリングを行います、今回は直径100mmでハニカム部の厚みは30mmで作ってみることにしました。(Fusion360

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STLで出力してCuraでGコードへ変換したものをSDメモリに書き込んで3Dプリンタにセットして出力します。(密度は20%です)

出力したものがこれです。

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これを石膏(鋳造用石膏 ノリタケ G2)に埋め込みます。

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石膏が固まったので暫く乾燥させます。

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このあと、電気炉でPLAを溶かしてある程度流しだした後に、高温で焼成してPLAを焼いてしまう計画です。PLAは非石油系のポリ乳酸で比較的低温で溶けて400℃くらいから熱分解するそうです。燃焼後の残渣も少ないのが特徴とのこと。

さて、どうなるでしょうか・・・・

 

短焦点 反射望遠鏡の製作(その1)

アニーリングの条件出しの二回目は560~500℃を200時間で行うプログラムを先週開始しましたが約10日かかるので出来上がりは週明け水曜頃の予定です。(現在510℃)

その間、暖かい快適な工作室で約F2.8の25cm反射鏡を使ったニュートン式望遠鏡を組み上げることとしました。 鏡筒はボイド管と合板を使用した簡単な構造で製作し、斜鏡周りは3Dプリンタで製作しています。

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主鏡セルと底板部分の大まかな加工が終わった所で主鏡を固定する部分をどうしようか考え中です。斜鏡ホルダとスパイダーの付け根は3Dプリンタで製作しました。 F2.8だと斜鏡も大きく100mmの斜鏡を使用します。 短焦点の場合はコマコレクターを使用するので鏡筒からの引き出しを大きくするため斜鏡も大きくなってしまいます。

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斜鏡は偏芯で配置していますが100mm必要となります。コマコレクターはP2で接眼部はFTF2015です、一体型のSIPSが良かったと思いますが後々予算があれば交換するかもしれません。

スパイダーはダブルスパイダーで斜鏡の回転振動を抑制効果がシングルよりも高いです。(スパイダーのテンションを高くしなくても良くなります)

 

 

アニーリング条件確認(電気炉 自作)その11

自作電気炉によるアニーリングが200℃まで温度が下がり完了しましたので、室温まで炉蓋を開けて冷却します。

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見た目、ガラスに特段変化はありません、鏡の側面に不滅インクの捺印は焼却して消えています。

手で持てるまで温度が下がったので、内部歪を確認してみます。

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アニーリング前のグニャグニャな歪模様は解消し単純なマルタ十字が残っています。 まだ、室温まで温度順応していないので歪が出ている模様です。

参考までに、アニーリング前の状態を再度掲載しておきます。

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暫く待って温度順応した?(完全に順応しているのか不明)状態はではマルタ十字が減って鏡周付近のみ歪が残っている状況に見えます。 まだ、鏡の内部が鏡周よりも温度が高いのかもしれません、手で鏡周を触って温めてみると白い歪部分が縮小します。

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とはいえ、まだ歪が残留しているのは確かなようです。

今回のアニーリング条件は以下の通りです。 熱電対の温度なのでガラスの温度ではないこと。ガラスの厚みが35mmに対して温度順応時間と降下温度との関係、ガラス内部と外側の温度差による歪量など熱処理カーブの検討余地はまだありそうです。

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ガラスの処理前後の形状変化については30μm程湾曲しました。

560→500℃の処理時間を延長して再テストしてみます。